専門知識コラム

2023.04.27

ウレタン塗膜防水     非破壊式塗膜厚測定

県立学校 屋上 (令和元年~令和2年施工)

とある現場にて、

作業員:「ウレタン防水工事、完了しました。」
元請(お客様):「ありがとう。綺麗になったね。」
「膜厚はどうなんだろうね?」

作業員:「〇〇缶使ってるから厚みついてますよ。」
元請(お客様):「それなら安心だね。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ん?ほんとに・・・?
その防水本当に厚みありますか?

施工箇所 材料名 設計数量×使用量÷荷姿(使用した材料は比重1.3です。) 必要数量

使用数量



屋上防水改修工事
DSカラー・ゼロ

3㎜使用 420㎡×(2.0+1.9)kg/㎡÷27kg/set

60.7set 61set
420㎡×3.9kg/㎡÷27kg/set=60.66kg≒60.7
DSカラー・ゼロ 立上り 2㎜仕様 (131㎡+19.3㎡)×(0.3+0.9+0.8)kg/㎡×比重1.3 21.8set 22set
150㎡×2.0kg/㎡×1.3÷18kg/set=27.71≒21.8

ウレタンゴム塗膜防水において、なぜ非破壊式膜厚測定をするのか。

ウレタン系塗膜防水の現状
ウレタンゴム系塗膜防水を代表とする塗膜防水全体が抱える最大の弱点は
下地の不陸、施工状況により平均した設計膜厚をとることができない
ことが原因による塗膜厚さの不安定、品質のばらつきである。

必ず、設計膜厚より、厚い部分、薄い部分ができる。

                       膜厚が薄い   亀裂やピンホール等が発生

                       膜厚が厚い   膨れ等の発生

不具合や防水層の低寿命化につながる。

そこで、
ウレタンゴム系塗膜防水非破壊式膜厚管理工法(SBU-MK1、SBU-MK2)
の提案です。

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      現場    平場     420.0㎡ ウレタン塗膜防水X-1
立上り 150.3㎡ ウレタン塗膜防水X-2 

あらかじめ測定箇所を決めておき、先に膜厚測定用アルミテープを貼る。

設定 立上り

膜厚 全測点の平均膜厚が2.0㎜以上。
1測点が1.8㎜を下回らないこと。

実施 2.39㎜→→→合格

立上り 測定1回目
膜厚  1.08㎜

立上り 測定2回目
膜厚  2.39㎜

設定 立上り

膜厚 全測点の平均膜厚が3.0㎜以上。
1測点が2.7㎜を下回らないこと。

実施 3.59㎜→→→合格

立上り 測定1回目
膜厚  1.59㎜

立上り 測定2回目
膜厚  3.59㎜

数値化することで膜厚の有無がわかりますね!!

通常のX-1ウレタン塗膜防水(通気緩衝工法)

材料・工法 使用量(kg/㎡)
工程1

接着剤塗り 
通気緩衝シート張り

0.3
工程2 ウレタンゴム系塗膜防水材 塗布 3.0
工程3 ウレタンゴム系塗膜防水材 塗布
工程4 トップコート塗布 0.2

SBU-MK1ウレタン塗膜防水(通気緩衝工法)

材料・工法 使用量(kg/㎡)
工程1

接着剤塗り
通気緩衝シート張り

0.3
工程2 ウレタンゴム系塗膜防水材 塗布 3.0
工程3 ウレタン膜厚検査 1回目
工程4 膜厚不足分塗布
工程5 ウレタンゴム系塗膜防水材 塗布
工程6 ウレタン膜厚検査 2回目
工程7 仕上げ 0.2

通常のX-2ウレタン塗膜防水(密着工法)

材料・工法 使用量(kg/㎡)
工程1

プライマー 塗布

0.2
工程2

ウレタンゴム系塗膜防水材 塗布
補強布張り

0.3
工程2 ウレタンゴム系塗膜防水材 塗布

2.7
(1.7)

工程3 ウレタンゴム系塗膜防水材 塗布
工程4 トップコート塗布 0.2

SBU-MK2ウレタン塗膜防水(密着工法)

材料・工法 使用量(kg/㎡)
工程1

プライマー 塗布

0.2
工程2

ウレタンゴム系塗膜防水材 塗布
補強布張り

0.3
工程3 ウレタンゴム系塗膜防水材 塗布 2.7
(1.7)
工程4 ウレタン膜厚検査 1回目
工程5 膜厚不足分塗布
工程6 ウレタンゴム系塗膜防水材 塗布
工程7 ウレタン膜厚検査 2回目
工程8 仕上げ 0.2

※()内は立上りとする
ウレタンは2回以上に分割して塗布する。
1回目の塗布時、最低でも半分はついている状態を作りましょう。(2.0mm厚の場合1.0mm以上、3.0mmの場合1.5㎜以上)

※表においてウレタン系塗膜防水材塗布の使用量は、硬化物比重が1.0である材料の場合を示しており、降下物の比重がこれ以外の場合あっては、所要膜厚を確保するように使用量を換算する。

2つの工法において、ウレタンゴム系塗膜防水を塗るたびに膜厚測定をします。
2回目の計測で基準値に足りなかった場合、不足箇所のみ増塗します。
ウレタン増塗箇所は段差等仕上がりに目立つため、極力2回目の測定までに膜厚を確保するように心掛けましょう。

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また、状況に対応した工法をご提案致します。